夜間に、ふと空を見上げると浮かぶ月。手を伸ばせば届きそうに見えるあの月ですが、実は私たちが想像するよりも、ずっと遠くにあるんです。今回は、月までの距離がどのくらい離れているのか、そして月に関する意外な事実についてお話しします。

平均38万4400km

地球から月までの平均距離は、およそ38万4400キロメートル。これを身近な例で考えると、地球をおよそ30個、横一列に並べた長さに相当する距離です。

新幹線の最高速度である時速320キロで走り続けたとしても、月にたどり着くまでにはおよそ50日もかかる計算になります。つまり、走り続けても2ヶ月近くかかるほど遠いということですね。

歩いて行こうとするなら、どうでしょうか。休まず歩き続けても、10年以上かかってしまいます。改めて考えると、月というのは本当に遠い場所にあるのです。

近地点と遠地点

実は、月までの距離は常に一定ではないんです。月は地球の周りを完全な円ではなく、楕円を描いて回っているため、地球に近づくときと遠ざかるときがあります。

最も近い時期(近地点)では約36万キロ、最も遠い時期(遠地点)では約40万キロとなり、その差はおよそ4万キロにもなります。これは地球3個分以上も伸び縮みしているということですね。

スーパームーン

月が地球に最も近づいた時期に、ちょうど満月になることがあります。この時に見える月は、いつもより大きく見えて、これをスーパームーンと呼びます。近い時期と遠い時期を比較すると、視覚的にはっきりとした大きさの違いが感じられるんです。

光でも約1.3秒

では、光の速さではどうでしょうか。光が月までの距離を移動するのに必要な時間は、およそ1.3秒です。驚くべきことに、私たちが「今」見ている月の姿は、実は1.3秒前の月なんです。

また、地球から発した電波が月に到達して、跳ね返ってきて地球に戻るまでには、約2.6秒の時間がかかります。つまり、月との間で「会話」をしようとしても、往復で2.6秒のタイムラグが生じてしまうわけです。

1969年のアポロ11号月面着陸のとき、宇宙飛行士たちがこの距離を本当に旅して、月に到着するまでにかかった時間はおよそ4日と6時間。当時の技術でも、この距離の旅は一大冒険だったんです。

年間3.8cmずつ遠ざかる

そして、最も驚くべき事実をお話しします。月は今この瞬間も、少しずつ地球から遠ざかっているんです。

その遠ざかるスピードは、1年でおよそ3.8センチメートル。これは、私たちの爪が伸びるスピードとほぼ同じペースです。月は静かに、でも確実に、地球から離れていっているんです。

数百万年という時間スケールで考えると、やがて月と地球の距離は今よりもずっと遠くなるでしょう。一方で、遠い過去には月はもっと地球に近かったのかもしれません。

まとめ

月までの距離は38万4400キロメートルという、私たちの日常の感覚ではなかなか実感できない遠さです。しかし、その距離は一定ではなく、近地点と遠地点で約4万キロも変わります。さらに、月は毎年3.8センチメートルずつ地球から遠ざかっていると言う、時間をかけた大規模な変化も起こっているんです。

今夜、夜空を見上げた時の月は、昨日見た月よりも、ほんの少しだけ遠い月なんです。そう思って見上げると、いつもと違う、特別な輝きが感じられるかもしれませんね。